受験生とタバコ

 (受験や業績などの)人生の目的のために一生懸命努力することと.依存症は、実は同じ脳内物質が関わっています。


 その物質とは何でしょうか? 
 
 「ドーパミン」がその物質です。「快感物質」・「幸福物質」とも言われます。ドーパミンを出す神経系が集まって、「報酬回路」というものができているのですが、その脳内の報酬回路が働き、快感を得ようとして、行動が強化・習慣化されます。ドーパミンは意欲、モチベーション、学習とも関連します。
 
 ドーパミンは、「楽しい事をしている時」「目的を達成した時」、「目標や計画を立てた時」、「ほめられた時」、「人から愛された時」、「セックスで興奮している時」、などに分泌され、「ワクワク」「ドキドキ」した感じになります。
 
 勉強を頑張って、達成感を得ることができると、ドーパミンが出ます。具体的には「一生懸命考えていた問題がやっと解けた。」と言う時にはドーパミンが出ます。

 そして、その達成感を得るために努力ができるようになり、それによって成績が伸びると、それによってさらにドーパミンが出ます。

 その結果、ドーパミンによって勉強という行動が「強化」され、繰り返したくなるのです。そうすれば、あとはしめたものです。勉強が楽しくできるようになるのです。努力が苦にならなくなり継続できるのです。さらに良い事にドーパミンによって「記憶力」もアップします。
 
 勉強は最初はつらいかもしれません。しかし、ドーパミンによる「強化学習」は、苦しければ苦しいほど、その後の喜びは大きく、より強化されます。
 
 ドーパミンをうまく利用すると学力が伸びるのです。
 
 しかし、使い方を間違えると、「依存症」となります。快楽を求めて覚醒剤、麻薬、タバコに手を出したら、その物質にとらわれてしまうのです。ニコチンなどの依存性薬物にドーパミン報酬系が「ハイジャック」され、「ドーパミンの暴走」= 依存症になるのです。
 
 タバコは簡単に手に入ります。喫煙すると、勉強より簡単に「人工的に」ドーパミンを出すことができます。
 
 そうすると、勉強によって達成感を感じた時に出る「自然な」ドーパミンも出にくいし、大した効果がなくなります。それでは、勉強に対するやる気は出てきません。勉強するより、タバコを吸うことの方に気持ちがいってしまいます。
 
 ですから、タバコを吸うことは、受験生、浪人生にとっては、とても良くないことが分かります。
 
 河合塾のデータでも浪人生で、喫煙を継続した人と止めた人では、合格率が明らかに止めた人の方が高かったのです。 
 
 受験会場では、タバコを吸うことが難しいことも考えなければなりません。ニコチン切れのイライラした状態で実力は出し切れません。その点でもタバコは受験までには止めておいた方が良いのです。直前だと、ニコチン切れの禁断症状が出てもまずいので、夏までには止めた方が良いでしょう。
 
 実はこのことは勉強以外のことにも影響してくるのです。
 
 タバコによって、ドーパミンを安易に出していると、他のことでは、ドーパミンが出にくい状態になってきます。すると、よろこび・快楽・意欲を感じにくい状態となります。また、ストレス対処能力の低下にもつながります。やはり、タバコは止めましょう。 
 
<参考書籍>
リセット禁煙のすすめ

リセット禁煙のすすめ―タバコの迷路から脱出し、自由の鐘を鳴らそう!

 

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)

 

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 (PHP文庫)

 

勉強にハマる脳の作り方

勉強にハマる脳の作り方

 

脳内物質仕事術

 

脳内物質仕事術

脳内麻薬

 

脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)