タバコを吸っている人と吸っていない人の肺機能です。縦軸が肺機能で、横軸が年齢です。
タバコを吸う人の中には、タバコの影響を受けやすい人と受けにくい人がいます。
タバコを吸わない人と、吸う人の85%は年齢相応の肺機能の低下しかありませんが、タバコと吸う人の中でタバコに影響を受けやすい15%がCOPDとなり、65歳で生活するのに障害をきたす程度のCOPDになります。
そのような状態では普通の空気ではだめで酸素を器械・ボンベから吸わなければならなくなります(在宅酸素療法)。
しかし、禁煙すると加齢による肺機能低下のみになり、45歳で禁煙すると青の線のようになり、低下が押さえられ、65歳で禁煙してももう一つの青の線のように低下が押さえられるのです。
ミスター・スポックのレナード・ニモイ氏は、53歳頃に禁煙されましたが、それまでに肺機能が落ちており、年齢による肺機能低下が加わることで、80歳を過ぎて、酸素が必要になったと思われます。(緑のライン)
しかし、禁煙しなければ、赤のラインの経過をたどり、70歳前に早くも酸素がいる生活になっていたと思われます。
どの年齢でもタバコを止める事は意味があります。
タバコを吸っている人で、40歳を過ぎたなら一度肺機能を測ってみてください。もし低下があるならば、禁煙は絶対にすべきです。そうしないと、将来、酸素なしでは生きることができなくなります。
また、検査上問題なくても、安心せず、その後も数年に一回は検査をするべきです。もちろん、肺がんのリスクは別にあります。禁煙を強くお勧めします。